1年ぐらい前からちょいちょいホームズのアプリで部屋探しをしていて、ようやく求めている条件の揃った物件が絞れてきたので、先日内見に行ってきました。
不動産屋というやつは営業ゴリラ集団で、対面交渉に勝利するために特化した脳みそを搭載しています。何なら顔の筋肉などもそのように発達しています。
我々素人は営業狂戦士である彼らと対面する前にあらかじめ戦略を立て、心構えをもって臨まなければ余裕で30万ぐらいぼったくられます。
今回はそのような事態に陥らないために、独断と偏見による対不動産屋戦略について書いていきます。
不動産屋は味方ではない
まず大前提なんですが、不動産屋はあなたの味方ではありません。
「こいつカス物件出しても適当に言いくるめたら契約とれるわ」と思われたら終わりです。
大富豪で4を出せばいいときに2やジョーカーを出しますか?
『3の人』にならないように気を付けましょう。
ただし、敵意をむき出しにしてはいけない
「お前が敵であることはわかっている」「この大ウソつき野郎が」という気持ちを態度に出さないでください。警戒は必要ですが、敵意を見せてはいけません。
不動産屋は味方ではありませんが、敵寄りの中立キャラなので、こちらの敵意を察知すると本当の敵になります。
不必要な攻撃はせず、ある程度泳がせたほうがこちらの話も通ります。普通に会話してください。
初手は100%「いつまでに決めたいですか?」
不動産屋の初撃はまず間違いなくこれです。
たとえあなたが1か月以内に決めたいと思っていても正直に答えてはいけません。
これが何故かわからない人は交渉のセンスがありません。
「いつまでに決めたいですか?」という質問に「来月までには・・・」と正直に答えるのは、LoLに例えると「15分までにMIDタワーを折れなければ私は降参します」と宣言してからゲームを開始しているのと同じです。
「いつまでに決めたいですか?」は自然な質問のように聞こえますが、これに答えるとあなたは一方的にタイムアップの敗北条件を提示することになります。
不動産屋側からすれば「今はこれぐらいしかありませんが、急いでいるんですよね?」という姿勢で臨めばまともに戦わなくても勝てることが確定します。
正味な話、物件を見に行って契約するだけなので普通にやれば2週間もかかりません。内見や契約書を書くのに順番待ちなど存在しませんので、実際に急いでおり、1か月ぐらいしか猶予がなかったとしても、まじめに答える必要はありません。何なら今日にでも入居してほしいと思っているのは大家のほうです。
「特に期限はないんですが、探している条件に合うところがあればすぐにでも入ろうかなと思ってます」が最善の返しです。
条件だけ伝えて不動産屋にリストアップさせるのはNG
〇〇駅周辺で、駅から徒歩5分、家賃はいくらぐらいで、近くにスーパーがあって・・・などと、希望条件を伝えて不動産屋に物件を選ばせる人は結構多いと思いますが、これは絶対にやめておいたほうがいいです。
『不動産屋は味方ではない』ので当然です。味方じゃない奴に自分の住む部屋を決めさせないでください。
「魚屋でも居酒屋でも、詳しい店員におすすめを聞けば良いものが出てくるに決まっているじゃないか!」と思ったあなたは本当に交渉のセンスがありません。買い物のセンスもないかもしれません。
魚屋や居酒屋はお客さんに「いい店だ!」と思ってもらうことでリピートを得て、生活に入り込むことで継続的に金銭を得ることができます。
不動産屋はどうでしょうか。
「いい不動産屋さんだ」と思ったところで、人生で何度も同じ不動産屋に行きますか?次に行くのは何年後ですか?
彼らの目線で考えれば、どのように対応しても二度と会わない可能性のほうが高いため、とにかく契約にまで漕ぎ着ければ適当な物件を押し付けた上で奪えるだけ金を奪ったほうがお得です。
不動産屋が邪悪というよりも、構造上そうすると考えるほうが自然です。自分でもそうします。
どうやって部屋を探す?
前述のとおり、見たい物件は自分で決めましょう。
ホームズのアプリを使って(別にホームズじゃなくてもいいですが)、条件フィルターなどを活用して検索すれば30分ぐらいで何件か絞れるはずです。
ちなみに自分はそろそろ引っ越したいな・・・と思ってから半年以上寝る前にほぼ毎日チェックしていました。
検索条件を調整しながら長期間物件情報を見ていると予算内でどれぐらいのレベルの部屋が存在するのかということがわかってくるので、「引っ越しするかもな~」と思ったその日から習慣にすることをおすすめします。
会話の流れに乗せられないように注意する
自分で検索して目星を付けた物件を実際に問い合わせてみると部屋が既に埋まっていたり、空いていても自分が思っていた条件と少し違ったりすることが多いです。
このとき、不動産屋は「似た条件の物件を紹介できますよ!」などと言ってきますが、これに乗るとほぼ確実にカス物件を押し付けられます。
このような返答がきたときは無視するか「また探して連絡します」とか適当に返して取り合わないでください。
先にも書きましたが、とにかく内見する物件は相手に選ばせないようにしましょう。
対面、内見では何も決断しない
最初に書きましたが、相手は『対面交渉特化型の営業ゴリラ』です。
彼らは相手を言いくるめることで飯を食っているわけですから、対面交渉で勝てるわけがありません。
なので、対面では絶対に何も決めないでください。
めちゃくちゃ良いな!と思っていても「一旦持ち帰ってから決めます、明日までには返事をさせてもらいます」ですべて通してください。とにかく、何事も決断は別れてからにしてください。
悪質な奴だと「ほかにも検討中の人が居る」とか「明日にはあるかどうか」とか言い出しますが、99%ウソなので「そうですかあ~・・・・まあ、早めに考えます」みたいな感じで適当に返してください。
家に帰るなり喫茶店なんかに入るなりして落ち着ける環境でじっくり考えなおして、我々オタクが大得意とするステージであるメールなどの文面で返答しましょう。
ちなみになんですが、営業ゴリラはほぼ全員文章での延長戦はかなり弱いです。
思っていた条件と違う部分を聞き流さない
不動産屋は店内で話しているときや内見中に「2人だと初期費用が上がるので〜」とか「ハウスクリーニング5万、鍵交換3万で~」などという重要なことを早口小声でサラッと言ってきます。書面にサインする段階になってから言い出すこともあるので、本当に注意してください。
「え?そうなんだ・・・でも仕方ないか・・・」とか思わずに「え?!聞いてないっすね~、じゃあちょっと考え直します!」とめちゃくちゃでかい声で言いましょう。
彼らはちょいちょいウソの追加料金を組み込もうとしてきます。実際に何にいくらかかるかなどということは我々には後にも先にもわかりません。いくら払っても本当にその代金を表記の用途に使ったかがわからないのでガチで無敵です。適当こいて10万でも20万でも貰えるんだからそら言うでしょう。
とにかく、金額のことで絶対に流されないでください。「え?」と思ったらいったん会話も契約も中断してください。
ここまで来て話をややこしくしたら契約できなくなってしまうのでは?という恐怖もあると思いますが、断じてそのようなことはありません。契約を流したくないのは向こうのほうです。後述しますが、同じ物件を別の不動産屋に問い合わせるという方法もあります。
とにかく、契約書に名前を書いて印鑑を押すまでは正式には何も決定していません。「ちょっと考え直したい」「この料金に関しては納得できない」というモヤモヤがあるなら流されずにちゃんとそう言いましょう。
謎の「あんしんサービス」を勝手に付けようとしてきたり、インターネット回線、電気やガス、引っ越し業者なども「親切で紹介しております」みたいな雰囲気で指定しようとしてくるので断ってください。
申し訳ないとか思う必要はまったくありません。不動産屋はあなたの味方ではなく、あなたは客であり、契約する不動産屋や物件を選ぶ権利はあなたにあります。このことを最後まで忘れないでください。
引っ越し費用や新しい家具の準備など、50万からのお金がかかるのでまあ5万とかで揉めてもな・・・みたいな気持ちになりがちですが、5万あったら何ができるかよく考えたほうがいいですよ。
電話や直接の会話で決まったこと、日程などは全てメール等に残す
仕事でもアホな取引先とか、終わっている他部署のウンコ野郎などとやり取りするときにはよくやることですが、会話で決まったことはすべてメールなどにまとめて「本日はありがとうございました。確認も兼ねて今日決まったことを念のためメールさせていただきます」とかなんとか適当な感じで箇条書きにし、何ならこっちがちょっと有利なニュアンスに改変したりしてください。
会社に営業最強ゴリラが居る方にはピンと来るかもしれませんが、彼らは「う~ん、なんかいい感じだったわ!勝ち!」という感触だけを覚えており、会話の内容は7割ぐらい忘れます。
引継ぎとかも基本的にしていないと思ったほうがいいです。なので、決まったことや次の日程などはすべてメールなどで残して相手にも見れるようにしておいてください。
「大家に交渉しておきます」「頑張ってみます」は信用しない
初期費用など「もうちょっと安くなりませんか?」と言うとほぼ100%この「頑張ってみます」という台詞が返ってきますが、どのような結果になるかは一切約束されません。
「これから交渉してくれるんだから当たり前じゃないか」と思われるかもしれませんが、冷静に考えてみるとこの「頑張ってみます」という台詞は本当に便利なものです。
その場ではめちゃくちゃいいヤツ感を醸し出しつつ、「するわけないだろ、バカが」と答えたときと同じ結果(=値下げなし)になっても客を納得させることができる聖剣です。実際、これを言ったときは何もしていないと思います。
費用に納得がいっていないのであれば、「この部分がいくらまで下がらなければ諦めて他を探します」と明確なラインを提示してください。
曖昧に「ワンチャンいけるなら下げて欲しいな~」みたいな言い方はしないでください。雑魚ムーブすぎて確実に舐められます。今日日メルカリでもそんな値切り方は通用しません。
不審な追加料金や発言があったら別の不動産屋に連絡する
「こいつ言ってることまじ怪しいな」と感じてきたら物件名で検索して取り扱いのある別の不動産屋に連絡してみてください。
条件が大きく違った場合は前の不動産屋は切りましょう。
このとき、先に他の不動産屋に相談していたことは言わないでください。
「〇〇で初期費用30万だったんですが~」と言ってしまった場合、本当は10万だったとしても「じゃあ20万って言っても勝てるのか!」という発想になり、結局高い金額を請求されます。
契約が決まった後の注意点
まず第一に、大抵の不動産屋は「初期費用クレジット払い可」を謳っていますが、支払いの段になると当然のような顔をして必ず現金で徴収しようとしてきますので、「クレジットで払えるって書いてましたよね?」と聞いてください。数十万とかの決済なのでかなりポイントが付きます。
第二に、鍵の受け渡し日(入居日)の2日前と前日に必ず連絡を入れてください。
不動産屋は契約書にサインを貰って初期費用を徴収したら客のことなどどうでもいいと思っています。というか、もう客だと思っていません。こちらから連絡しなければ鍵はもらえないと思うぐらいのほうがいいです。入居日の2~3日前には不動産屋に鍵が届いており、入居日の前日には受け取ることができます。
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今回は以上です。
自分は不動産関係者でもなければ不動産屋の知り合いがいるわけでもないので、実はすべて思い込みかもしれません。
本当は世界は優しさに満ちており、不動産屋はすべての人の味方なのかもしれません。
ただ、自分のケースでは同じ物件を2件目の不動産屋で交渉したら24万円浮いたことは確かです。
あと、そもそも不動産営業に売りたい物件という概念はないという話もあったりしますが、そうだとしたら怠慢野郎があまりにも多すぎるのではないかと思います。
カウンターで「こういう物件ありますか?」って聞いたら2~3分かそこらで印刷して提示してきますよね。我々だって自分で物件を探すときは同じように条件でフィルターをかけて検索し、部屋探しをするわけですが、それを2分で決めるでしょうか。
「ま、とりま適当にこのへん出して俺っちのトークで勝負しますか笑」みたいな感じで選んでいるとしか思えません。いずれにしても、こんな奴らに自分が何年も住む物件を決めさせてはいけません。