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やばいぐらい安い中華モニターアームは使いものになるのか

※ 記事内の価格はすべて執筆時点(2023/04/10)での価格です。

モニターアームの価格には驚くほどの幅があります。
高級なものであれば2万円以上しますが、安いアームは3000円ぐらいで買えてしまいます。

モニターアームについてリサーチしてみると、「まず間違いない」と思われるのは以下の2商品です。

価格はどちらも2万円弱です。
2万も出したら普通にモニターが買えるだろ。ふざけるなよ。

ちなみにエルゴトロンというのはモニターアームの神様みたいなメーカーらしく、スイスイ動いてビタッと止まる、これ以上ない使い心地らしいです。

また、上記商品を両方持っている人曰く、Amazonベーシックのアームはエルゴトロンと同じぐらい品質が良いらしいです。

どちらも触ったことがないので「らしいです」としか言えませんが、多くの人がそう書いていますし、動かしながらレビューしている動画も複数あるので、まず間違いないと思います。

 

一方で、安物の中国製アームはというと、「モニターが落ちてきた」「グラグラして固定できない」という購入を躊躇させるような評価が混じっています。

自分が購入したのは下記の商品です。

 

HUANUO PCモニターアーム デュアル

価格:5900円
買って良かった度:★★☆☆(3)

アームが2本くっついるデュアルで5900円なので、1本あたり3000円以下です。Amazonベーシックデスクマウントの5分の1以下のコストです。
そんなもん本当に使えるのか?という話なんですが、

結論から言うと、条件が合えば使えます。

実際に1か月ぐらい使用してみましたが、グラグラするとかモニターの位置が下がってくるということはありません。「揺れる」とか「高さを維持できない」というレビューがちらほらあるのは普通に初期不良だと思います。

もちろんモニターが急に取れたりもしません。というか、そんなことは構造上ほぼありえません。
あるとしたらモニター側のネジ受けが割れてるとか劣化してるとかではないでしょうか。

「位置決めが難しい」「アームが固い」「止めたい位置で止まらない」という話も読みましたが、特にそういう風にも思いません。

「スイスイ動いてビタッと止まる」か?と言われるとちょっと固いしミリ単位の繊細な調整は難しいですが、位置がズレてくるとか、固くて動かないということはありません。

しかし、決してこの商品に大満足!というわけではなく、設置してみてわかったヤバめの欠点必須条件が複数あります。

なので、コスパ最強かと言われればそんなことはありません。

以下、不満点や高級品に劣っていると思われる点を書いていきます。

 

1人で設置できない

友達や家族に手伝ってもらえない人はこの商品を買わないほうがいいです。

最初に土台をデスクに固定し、アーム先の高さにモニターを手で持ち上げたままネジ締めをしなければならないため、1人で設置するのはほぼ不可能です。

ちなみに、amazonベーシックのアームは先端部を取り外してモニターを付けてからアームと結合することができるらしいので、そちらは1人でも設置できると思います。

設置関連の低評価ポイントはもうひとつあります。
アームがゴムバンドのようなものでギチギチに締め付けられた状態で届くため、覗き込むような感じで顔を近づけてバンドを外すとアームの先端が顔面に飛んできます。

HUANUOのモニターアームの購入を考えている方は「固定バンドを外すときは手で押さえながら外す」「顔を近づけない」ということを覚えておいてください。
レビューではとんでもない勢いでブッ飛んでくるみたいな書き方をしている人が多いですが、軽く押さえつけておけば大丈夫です。

 

高級アームと比べると関節が1つ少ない

 

Amazonベーシック デスクマウント シングル モニターアーム ブラック (11.3kgまで対応)

amazonベーシックのアーム(上図)は根元から構造を辿っていくと
・「横への可動=アーム全体の横角度」
・「縦への可動=高さ」
・「横への可動=モニターの横角度」
・「縦への可動=モニターの縦角度」
の順で4つの関節が付いています。

しかし、HUANUO PCモニターアーム デュアルは最後の縦関節がありません。
要するに、モニターをお辞儀させたり上に向けることができません。

自分はこの点では特に困っていませんが、高い位置にモニターを固定して下から見上げるように使いたいと思っている人は買わないほうがいいです。

 

モニターが土台の中央に来ない

HUANUO PCモニターアーム デュアル 液晶ディスプレイアーム 2画面 17~27インチ対応 耐荷重2-6.5kg ガススプリング式 グロメット式&クランプ式 VESA100*100 多角度調節 ケーブル収納

諸葛孔明並みに洞察力が優れている人しか設置前に気付けないと思うのですが、この商品は「土台から左右に向かってアームが伸びる」という形にしかなりません。
要するに、土台をデスクの中央に設置するとモニターをデスクの中央に持ってくることができません。

デスク中央にモニターが欲しい場合はデスク端に土台を設置しなければなりません。しかし、そうするともう1枚のモニターがデスクから大きく横にはみ出してしまいます。

ちなみに「モニター2枚をピッタリくっつける」という使い方も27インチでは不可能です。
商品画像では実現しているように見えますが、アームをめちゃくちゃ前に突き出すか、めちゃくちゃ高く掲げるような位置に止めないとこういう形にはなりません。
画像をよく見ると「こんな高さで使うわけないだろ」という位置までモニターを掲げているのがわかります。

27インチ前後のモニター2枚をピッタリくっつけて使いたい人は絶対に他のアームを買ってください。

 

低い位置でモニターを内向きにすることができない

土台から15cm以上の高さで使わないとアームが干渉してモニターを内向きにすることができません。

一般的なモニター台の高さ~低い位置で使いたい場合は「モニターを内向きに傾けることはできない」と思ったほうが良いです。

 

欠点の合わせ技が効く

先に挙げた「2枚のモニターが机の中央ではなく左右に来てしまう」「モニターを内向きに傾けることができない」という条件は単体だと許容できますが、両方の条件が揃うとかなり効きます。

左右の離れた位置にモニターがあるにも関わらず、モニターはどちらも傾けることができず真正面を向いているため、2枚のモニターを同時に見ることができません。

なので、並べた2枚のモニターを同時に見たいと思っている人は絶対に他のアームを買ってください。

 

膨大な横幅スペースが必要

土台から左右に向かってアームが伸びる形にしかならないという欠点には、2枚のモニターを中央でピッタリくっつけることができず、同時に見ることができないという他にも大きな問題があります。
2枚のモニターの間に無駄なスペースができるため、えげつない広さの横幅スペースが必要になるということです。

自分は27インチのモニターを2枚設置して使っているのですが、総横幅が150cmぐらいになっています。

 

デスクの後ろに15cm程度のスペースが必要

デスクの後方を壁にくっつけたい人はこの商品を買わないでください。

このアームは机の後方に空間が必要です。

レビューでは「机の後ろに30cm以上スペースがないと使えない!」とか言ってめちゃくちゃキレている人が居たりするのですが、さすがに30cmは言い過ぎです。15cm程度の空きがあれば使えます。

 

まとめ

いつもどおり文句ばかり書きましたが、これでなぜ買ってよかった度が★3つもあるのかというと、「モニターアームというアイテム自体が想像していたよりも素晴らしかったから」です。「たまたま自分の環境と奇跡的にマッチしたから」というのもあります。

モニターの土台がなくなるだけでデスクがこんなに広くなるのか!という感動がありました。デスクの奥行が狭いので、マウスを動かせる範囲が変わったのが大きいです。

逆に言うと、デスクの面積が広くてマウスを動かすスペースや他のデバイスを置くスペースに困っていない人には、そもそもモニターアームというアイテム自体が必要ないと思います。

 

はっきり言って、モニター1枚につき15000円出せるのであれば素直に「Amazonベーシック デスクマウント」を買うべきです。

 

「HUANUO PCモニターアーム デュアル」を買ってもいいのは

① デスクの後ろに15cm以上のスペースを空けることができる
② デスクの横幅+左右の空きスペースの合計が150cm以上ある
③ 2枚のモニターがピッタリくっつかなくてもいいと思っている
④ 2枚のモニターを同時に見れなくてもいいと思っている
⑤ 設置を手伝ってくれる家族か友達が居る

以上の全条件を完璧に満たしている場合だけです。

というか、デスク周りにこんなにスペースがあって「使える面積が狭い」と思っているのであれば、デスク自体を買い替えたほうがいい説も有力です。